ゴムの準備

動力用ゴムはピーナッツスケール機のエンジンにあたります。このゴムひとつでピーナッツスケール機の飛び具合が大きく左右されます。 それぞれの飛行機にピッタリ合ったゴムの幅、長さ、巻き数を見つけ出すことがピーナッツスケール機のもう一つの楽しみでもあります。

ゴム

現在、普及している高性能ゴムは、FAI Model SupplyのSUPER SPORT (タンスーパースポーツ)です。コンテスト用のTAN SUPER SPORTの他にFUN FLYING用のTAN SPORTもあります。いずれもライトプレーンのキットなどに付いてくる濃いグレーのゴムと比較すると伸び、トルクとも断然、優れています。
 種類は幅の違いによって1/16inch (約1.6mm)、3/32inch (約2.4mm)、1/8inch (約3.2mm)、3/16inch (約4.8mm)、1/4inch (約6.4mm) の5種類あります。厚さはどれも 0.042inch(約 1mm)です。 1箱、1lb (1ポンド=454g) の箱入です。 ピーナッツスケール機では1/8inch (約3.2mm)、1種類を持っていればほとんどの場合大丈夫です。

入手方法:
一般の模型店で見かけることはほとんどありませんのでこちらからどうぞ。
国内ネットショップ:KOTOBUKI Air Kraft 、BACKYARD STORE

ゴムの保管方法

ゴムの劣化要因は 1.紫外線  2.大気中の酸素による酸化 といわれています。 保管が良ければ経年変化はあまり気にしなくて良いようです。 冷蔵庫の中にとも言いますが、これは必要ないと思います。 更に冷凍庫保管には強い反対があります。 ゴムの最大の敵は紫外線です。 広場でふたを開けたままのゴムの箱を直射日光下に放置している人が居ますが、これは論外です。 木陰でも蓋をしている方が無難です。 しかし、大気中の酸素による酸化は大した事はないようです。 結論としてゴムは暗い所になるべく密閉した容器に保管して下さい。 ポリ袋に入れて蓋のできる缶に入れて置けば大丈夫でしょう。

ゴムの長さと幅

ゴムをループにしたときの長さはフック間隔の1.5~2倍くらいを目安とします。長いゴムを積むことで滞空時間を長くすることができますが長いゴムはほどけた時のたるみが 大きくなるためトリムを狂わせてしまうことがあります。 また、長いゴムを積むと重心位置が後退しますからノーズにバラストをより多く積むことになり、 飛行機が重くなりますから滞空性能は悪くなります。要するにバランスが肝心です。 トルクはゴムの幅で調整します。トルクは飛行に大きな影響 を与えます。そのためにゴムスリッターを使ってゴムを必要 な幅に切り出して使います。 約0.2㎜単位で幅を調整するほどシビアです。 飛行機によって最適なゴムの長さと幅は違います。 これは飛ばしながら試行錯誤を繰り返し、見つけだす以外に方法はありません。

リューブリカント(潤滑剤)

ラバーリューブゴムは次のような理由により、リューブリカントと呼ばれる潤滑剤を付けてから巻きます。
1.より大きなトルクを得るため。
2.摩擦と切断の危険を少なくするため。
3.回転を良くするため。
リューブを付けずに巻くとゴム同士がくっついてしまい短時間で使えなく なります。たくさん付ける必要はありませんので付けすぎたときはふき取 って下さい。多く付けるとゴムがほどけるときに飛び散って胴体を内側か ら汚してしまいます。

市販されているリューブリカントには、「シリコーンオイルタイプ」と「シリコーンオイル乳化タイプ」の2種類があります。
「シリコーンオイルタイプ」は、粘度が高く効果が長持ちしますが、ゴミが付きやすいので、ピーナッツスケール機のようなゴムが胴体に内臓されている機体に適しています。
「シリコーンオイル乳化タイプ」は、サラッとしていてべたつかないので、ライトプレーンなどゴムが露出している機体に適しています。

※リューブにシリコーンオイルを使う場合の注意※

屋内飛行会を体育館などで行う場合、絶対にシリコーンオイルを床に垂らしてはいけません。床がツルツル滑り非常に危険です。最悪の場合、体育館を使わせてもらえなくなります。後始末を完璧に行って下さい。

入手方法:
国内ネットショップ:BACKYARD STORE

巻き数

ゴムの最大巻き数を知るために次のような計算式が知られています。Kは切断係数。

TAN-IIの場合、K = 8.5~9.5 とする。 (例)束の長さ300mm、幅3.2mm、1mm厚のゴム2条、 切断係数 K=8.5とすると (300×8.5) ÷ { (1×3.2×2)の平方根 } = 約1000(回)

この数値はあくまでも目安ですから実際はリューブやゴムの傷などいろいろな要因で 最大巻き数は変わります。ゴムが切断する直前は、巻いているとゴリゴリした硬い感 じになります。この感じをつかむことと、いつも巻き数を数えることが大切です。 ですから、ゴムを巻いている最中はみんな無口になります。